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新卒エンジニアお仕事日記

一人称は俺だけど女です

休日の日記

俺は今日も早くに目が覚めた。

せっかくの休日だというのに、4時間で起きてしまうとは。睡眠導入剤も飲んでいるのに。

 

しかし、世の中には一睡すら出来ず、統合失調症になり、会社で盗聴器を探す人間もいるのだ。

それに比べたら4時間寝ている俺は、まだまだじゅうぶん恵まれているのだ。

最近の俺はそのへんの普通の感覚がわからない。

もっと困っている人と自分を比べ、まだ大丈夫だと言い聞かせてしまう。

 

トイレに入ったら鮮やかな血が流れていた。生理だった。

昨夜「俺には剣が刺さっている」なんて自分の今を表現したことをなんとなく思い出した。

 

暗い気分のままスマートフォンを見た。

すると、この日記の読者から感想文が送られていた。

 

「その上司は確かに仕事は出来るが、上司としては駄目だ。そしてよくいるタイプの上司だ。だから、気にする必要は全くない。自分の出来るぺースでやっていけばいい。」

 

俺はこの文章のおかげで、心がいくらか楽になった。

まだ仕事のことを思い出すとキツい。この日記を書いた後漫画を描くのだが、暗いシーンを描くときにちゃんと向き合えるかどうか不安だ。ちゃんと俺は描けるのか。

でも、辛くなったらこの文章を思い出そう。

 

この文章を送ってきた人、生まれてきてくれてありがとう。

 

そうだ。俺は上司が仕事が出来る人だからと、上司のいうことを全て真に受けていた。

仕事が出来るのと、新人をうまく健康なまま導けるかどうかは、完全に別の話である。俺は上司のいうことを盲信してしまっていたのだ。

 

俺が現在心身ともに疲弊し、決して健康的で前向きに仕事をとらえられていない現在、上司のやってきたことはマネジメント的に正解だと言えるだろうか。

 

俺がこんなにも疲弊し、「休日は漫画を描かせろ!!!」と、必要以上に唸っているのには理由があるのだ。本来の正常な俺なら、「休日は漫画描くけど、パッパと行動して、うまいこと時間を割いて簡単なコーディングもしよう」と前向きに頑張る筈だ。

今の俺がこんなに滅茶苦茶なのには、それだけ何かが過剰に重くのしかかっているからだ。

 

エンジニアの能力とは、例えるなら「剣」である。

剣はタロットの世界では「人工物」であり、「理性」や「知性」の象徴である。

今の俺が掲げているのは、一本の若い「ワンド」なのである。流石はポテンシャル採用といったところだ。(前に占った。)

自然から生まれた木の棒を人工物である鋭利な剣にするには、それなりの時間をかけて冷静にやっていく必要がある。そのためには、心の余裕が不可欠なのである。

心に余裕が無いと、冷静さを失う。身体もどんどん駄目になり、エンジニアとしてじゅうぶんに脳を働かせることが不可能となる。

俺のワンドを剣にするには、まずは心に余裕を持たねばならない。

 

俺はその読者の感想文で、仕事というものがほんの少しだけわかったような気がする。

仕事は焦ってやるものではない。上司や周りの人のいうことをいちいち全て真に受けてはいけない。そういった意味で、いつも冷静さが求められる。

だが仕事をしていると様々な情報が自分の中に入り、時に自分のリズムを乱す。

 

俺も大空を飛ぶ鳥のように、仕事を俯瞰出来たらなあ。

それが出来たら、上司の言っていることを全て無条件に真に受けたりしないだろう。

 

鳥が大空を飛ぶのは、「知恵」である。俺たちはふだん、鳥がさも当たり前のように飛んでいると思っているが、ああなるには訓練が必要だし、風の情報を知る感覚が必要なのである。

だから俺が仕事を俯瞰しようとすると、それなりの経験が求められる。

これはつらい思いをしないと出来ないことなのかもしれない。

 

心が少し楽になったからといって、俺の緊張状態はまだ続いている。

やっぱり上司のことを思い出してしまうし、あの重荷になっている発言が頭の中でちらつく。そうして俺はやはり休日さえ休めないのか?と焦る。

しかし、俺はそういう弱い自分も受け入れ、堂々としていたい。

強さとは弱さを受け入れることじゃないだろうか。

俺は、俺をわかってやれるようになりたい。

全てを受け入れ、冷静でありたい。

 

昨夜、大学生が、僕の頭をポンポンしていいと俺にメッセージを送ってきた。

俺は、素直に「うーん、かわいい」と思った。

一時的に仕事などの悩みがどうでもよくなった。俺は意外と単純なのかもしれない。

 

しかし、俺はあの美しいつぼみに、気安くそうすることは無いだろう。

可憐なものは丁寧に扱わなければならない。

 

・・・それにしても、どうして俺の日記はこうも言葉の選び方が「キザ」なのだろうか。

俺は思ったことをここにただ書き並べているだけなのだが、どうもカッコつけたような文章になっている。でも、これが俺の本性だ。

ああ、キザが本性だなんて・・・・キザなんていう言葉を選んでしまったがゆえに・・・。

 

言葉・・・言葉で思い出した。俺は、ここに書いておきたいことがあった。

 

言葉・・・・。

 

俺は勘が冴えている日に思うことがある。

言葉とは、一つの意味だけでないことがある。

 

俺は頭でっかちな女から、相談を受けた。

彼女は、友達グループの中で「ちょっといいな」と思っている男性から「〇〇駅の料理店を一緒に新規開拓しようよ」と言われ、「それは2人で行ってもいいものなのか?」と悩んでいたらしい。友達みんなで行くのがいいのか、2人で行ってもいいものなのか。

2人で行こうという感じで誘ったら、嫌がられないか、ということで彼女は悩んでいたのだ。

 

俺は彼女にこう言った。

「・・・・今、それを聞いて思うことがある。言葉とは、常に一つの意味とは限らない。たしかに、新規開拓するという言葉は、日常的な言葉で、べつに珍しくはない。でも、この場合、彼は君との関係も新規開拓したくて、その言葉を選んだのではないか」

と。

 

普段の俺は、言葉に対しピンとくるものはない。

しかし、冴えている日は、その言葉が別の意味をも含んでいると感じることがある。

 

なぜ「新規開拓」というその言葉が口から出たのか。

たしかによくある言葉で、あたりまえの言葉だ。しかし。

人の選ぶ言葉は、時に「理由」がある。

 

まあまあ冴えていたその日の俺の直感としては、その男は彼女にちょっと興味があって、友達グループとしてではなく2人で行動したくなったからその言葉を無意識の中で選んだのだと感じた。

 

まあ、直感の話だし、本人にきいたわけじゃないから絶対に正しいなんて俺はべつに言わないが・・・・。

 

ふだん意識していないだけで、俺たちが選ぶ言葉は、重要な局面や転換期において、複数の意味を持つことがある。